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【考察】ペイサーズの改革は何に成功し、何に失敗したのか スタッツ比較して考えてみる。オフェンス編

こんにちは。

今回も、読んでいただけると嬉しいです。

19-20シーズン終了後POに進みながらスイープ負けしネイト・マクミランHCを解雇。現代的なOFを構築することが出来なかった事が主な解雇の原因として挙げられています。そんななか、OFの改革のためネイト・ビョルグレンを未経験ながらもHCに抜擢したのですが、ケミストリー構築が出来なかった事や怪我などのネガティブ要因もあり、PO進出さえも叶うことはありませんでした。成績からすれば、失敗と評されがちな今シーズンですが、HCの交代の原因となったOFの改革という面ではどうだったのでしょうか?

19-20シーズンと20-21シーズンをスタッツの観点から比較していきたいと思います。

長くなるので数回に分けて最後に総括という形にしたいと思います。

 引用元:

www.nba.com

 ()はリーグ内順位

指折り順位を数えたので間違えてるかもしれませんがご了承ください。

 
シュート数/得点の内訳(左が19-20シーズン、右が20-21シーズン)

・1試合当たりのFGA

88.5(18)→91.2(3)

・1試合当たりのFGM

42.1(7)→ 43.3(3)

・1試合当たりの3PA

 28.0(30)→ 34.0(18)

・1試合当たりの3PM

10.2(29)→ 12.3(18)

・1試合当たりの得点

109.4(23)→115.3(6)

 PACE

99.41(22)→102.05(4)

 

19-20シーズンの特徴としては3PAの少なく、2Pのシュートの多い現代的といえないスタイルのオフェンスでした。

20-21シーズンは各シュートの確率面はそこまで変わっていませんが、PACEを上げ、アテンプト数を増やし、 課題であった3P成功数を大きく増やしました。

昨シーズンより怪我が多く、主力を多く欠きタレント不足が深刻だった中で組織的にそして現代的なオフェンスの構築したことは評価されるべき点だと感じます。

得点力をチームとして大きく伸ばしリーグ下位の23位から6位にランクアップしています。

・2Pの得点割合

58.4(1)→53.6(7)

・速攻での得点割合

11.7(15)→14.4(2)

・FGのアシスト割合

 61.4(10)→63.3(5)

 得点の割合としては、昨シーズン1位であった2Pの割合は落ちましたが、先ほどの述べたようにミドルレンジを減らしましたが、速攻や得点などの割合は上がっているため、以前リーグで7位と高い数値です。

また、ペイサーズの特徴としては、2P、3P問わず得点の多くをアシストからあげていることがわかります。そのためASTはリーグで2位と好調でした。

 

 

 

主要なスタッツ
SEASON GP W L WIN% PTS FGA FGM FG% 3PA 3PM 3P% FTA FTM FT% OREB DREB TREB AST TOV STL BLK BLKA(被) PF PFD(被) +/- MIN
20-21 72  34  38  0.472  115.3(6) 91.2(3) 43.3(3) 47.4(11) 34.0(18) 12.3(18) 36.4(17) 20.7(26) 16.4(20) 79.2(9) 9.0(26) 33.7(21) 42.7(26) 27.4(2) 13.5(13) 8.5(5) 6.4(1) 5.3(23) 20.2(22) 18.1(26) 0.0(17) 48.5 
19-20 73  45  28  0.616  109.4(23) 88.5(18) 42.1(7) 47.6(2) 28.0(30) 10.2(29) 36.3(14) 19.1(30) 15.0(30) 78.7(12) 8.7(28) 34.1(20) 42.8(25) 25.9(7) 13.2(5) 7.4(20) 5.2(11) 4.6(11) 19.8(9) 18.8(30) 2.0(13) 48.3 

 

 得点の割合

SEASON

%FGA

2PT

%FGA

3PT

%PTS

2PT

%PTS

ミドル

%PTS

3PT

%PTS

速攻

%PTS

FT

%PTS

OFF TO

%PTS

ペイント

2FGM

%AST

2FGM

%UAST

3FGM %AST

3FGM

%UAST

FGM

%AST

FGM %UAST
2020-21 62.8(10) 37.2(21) 53.6(7) 6.8(20) 32.1(21) 14.4(2) 14.2(25) 15.6(12) 46.8(5) 53.5(8) 46.5(23) 88.0(5) 12.0(26) 63.3(5) 36.7(26)
2019-20 68.3(1) 31.7(30) 58.4(1) 13.3(2) 27.9(29) 11.7(15) 13.7(30) 15.8(9) 45.1(8) 53.3(7) 46.7(24) 86.7(8) 13.3(23) 61.4(10) 38.6(21)

 

シュートエリア別

・制限区域FGA

29.6(10)→ 33.0(2)

・制限区域FGM

 18.5(13)→20.6(2)

・ミドルレンジFGA

 17.3(2)→9.3(20)

・ミドルレンジFGM

 7.3(2)→3.9(20)

・コーナー3FGA

6.7(22)→ 7.4(23)

・コーナー3FGM

2.6(23)→ 3.0(19)

・アーチ3FGA

 21.2(30)→26.4(14)

・アーチ3FGM

7.5(29)→ 9.3(16)

シュートエリアの内訳を見てみると

昨シーズン多かった制限区域でのシュート試投数、成功数ともにリーグ2位とさらに増え、逆にリーグ有数の多さだったミドルレンジのシュート試投数、成功数ともに20位とリーグで下位の数値になっています。

大きく増加していた3PAですがコーナー3はそこまで増加しておらず、アーチ3の数を大きく増やしています。

ミドルレンジで得点を取ることの出来るTJ・ウォレンの離脱があったことは少なからず関係しているとは思いますがミドルレンジを減らしゴール下と3Pを増やすことに成功していることがわかります。

意外なのが3Pで効率が良いといわれているコーナー3は試投、成功数ともにそこまで大きな変化は見られなかった事でしょう。

次に、どのようなプレイ選択をしているのか内訳をみてみましょう

 

シュートエリア

 
  制限区域 ペイントエリア(制限区域以外) ミドルレンジ コーナー3 アーチ3
SEASON FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG% FGA FGM FG%
2020-21 33.0(2) 20.6(2) 62.4(23) 15.0(17) 6.4(18) 42.8(13) 9.3(20) 3.9(20) 42.4(13) 7.4(23) 3.0(19) 40.5(12) 26.4(14) 9.3(16) 35.1(20)
2019-20 29.6(10) 18.5(13) 62.6(20) 13.5(20) 6.1(12) 45.4(1) 17.3(2) 7.3(2) 42.1(7) 6.7(22) 2.6(23) 38.8(18) 21.2(30) 7.5(29) 35.5(15)
 プレイタイプ別

FREQ=頻度  PPP=期待値

・トランディションFREQ

14.3%(19)→18.7%(3)

・PnR ハンドラーFREQ

19.2%(13)→15.4%(23)

・PnRロールマンFREQ

8.4%(1)→5.3%(23)

・カットPPP

1.28(15)→ 1.34(3)

・ハンドオフFREQ

5.2%(12)→ 7.5%(2)

・パス

295.6(11)→ 307.6(2)

 主に昨シーズンと変わったのは上記のものでしょう。

20%弱ほどの頻度でトランディションをしているのですが期待値という面ではリーグ中位になりましたが数値は向上しています。

チーム全体としてアイソレーション、PnRハンドラー・ロールマンともにリーグで下位の頻度です。昨シーズンまでは、PnR に頼り、特に、ロールをリーグで最も多用していたのがOFの特徴でしたが、サボニスにボールを預け、彼の得意とするハンドオフやカッターへのパスを多用するようになったためか相対的に低くなっていると考えられます。

元よりタレントに欠けたペイサーズに加え、ラインナップも安定しなかったこともあってかハンドラーに依存しないようなプレーを選択している傾向が見て取れます。

今季のPOを見るにチーム力+個の力というのは必須に感じるので、ブログドン、レバートもしくは、ほかの選手がステップアップしてほしいようにも感じました。

 

  トランディション アイソレーション PnR ハンドラー PnR ロールマン ポストアップ スポットアップ ハンドオフ カット オフスクリーン プットバック
SEASON FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP FREQ PPP
2020-21 18.7%(3) 1.13(15) 4.7%(27) 0.85(23) 15.4%(23) 0.91(12) 5.3%(23) 1.10(22) 3.9%(19) 0.84(26) 22.5%(17) 1.03(16) 7.5%(2) 0.93(16) 7.6%(9) 1.34(3) 4.1%(15) 1.03(9) 4.8%(18) 1.13(14)
2019-20 14.3%(19) 1.12(9) 4.9%(23) 0.89(17) 19.2%(13) 0.87(12) 8.4%(1) 1.07(21) 4.6%(16) 0.90(18) 19.1%(25) 1.04(11) 5.2%(12) 0.94(11) 7.5%(8) 1.28(15) 6.0%(6) 1.06(4) 4.8%(23) 1.16(5)

・ドライブ試行数

46.8(13)→54.7(3)

・プルアップFGA

24.1(9)→21.2(20)

・プルアップ3PA

7.2(25)→ 9.0(15)

プルアップFGAは昨シーズンより3本近く減らしていますが、同じくプルアップ3PAは1.5本ほど増えているます。
ドライブ数は昨シーズンに比べ大きく向上していることと先ほど述べた制限区域での得点が増加していることををふまえると、ゴール下と3Pの効率が良いエリアで攻めようとしていることが見えてきます。

 

  ドライブ キャッチ&シュート プルアップ パス
SEASON 試行数 PTS% PASS% AST% FGA FGM FG% 3PA 3PM 3P% FGA FGM FG% 3PA 3PM 3P% パス回数 セカンダリーAST
2020-21 54.7(3) 53.7(18) 40.4(11) 9.2(19) 26.1(17) 9.7(21) 37.2(23) 24.8(16) 9.1(15) 36.8(20) 21.2(20) 8.6(17) 40.8(6) 9.0(15) 3.2(14) 35.7(6) 307.6(2) 3.1(14)
2019-20 46.8(13) 52.9(18) 41.8(5) 10.3(6) 25.1(20) 9.8(14) 39.0(6) 20.6(27) 7.7(25) 37.5(14) 24.1(9) 9.8(6) 40.7(3) 7.2(25) 2.4(24) 33.2(14) 295.6(11) 2.9 (17)

 

 

 まとめ

 オフェンスシステムの改革、主に、ペースを上げミドルを減らし3PAの増加に乗り出したペイサーズでしたが、データで見ていくと3PAを増やすというリーグのトレンドに乗ることには成功したといえるでしょう。

3Pとペイントをで得点をあげ、サボニス、ブログドンのデュオを中心にOFを構築し、リーグで6番目に得点を挙げるチームになりました。チームとしてもパス交換を増やしアシストは増加。チームとしてオフェンスは向上しているように思えます。では、なぜチームは成績を昨シーズンに比べ落としたのか、次回はディフェンススタッツをみて考えてみたいと思います。

 読んでいただき、ありがとうございました。